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シドニー世界選手権

世界選手権は2回目だ。

前回のチョンジュ世界選手権は最悪で最悪の内容だった。なんとか良いところを探して自分をなだめたが、今もずっとひきづっている。ひきづっているという表現が正しいか分からないが、その時の状況を思い出すだけで腸が煮えくり返る。終始、緊張が続き、銃が揺れっぱなしだった。考えてみればその時から、真剣に自分の心と向き合うようになった。どうすれば、平常心をたもてるか、どうすればいつもの自分が出せるかを常に考えてきた。すべてはこの世界選手権のためといっても過言ではないだろう。今回の目標は過緊張をなくすこと。

試合当日、いつものルーティーンで会場入りをした。前回のチョンジュでは自分の心拍数を把握するため、心拍時計とにらめっこをしていた。この時計は最近ちまたで流行っているが、うまく使えば最高の武器になる、がしかし、私のように数字が気になる人には向かない。心拍を下げるための方法論が自分の中で確立されていなければ、その数字が自分の首を絞めることになる。チョンジュ後この時計をみるのをやめた。そのことで、自分の体に話しかければ状態が分かるようになった。8月に行われたクロアチアWCの結果が自信になっているので恐れることはない。会場ではとてもリラックスできた。時間配分もうまくできている。いつもよりララックスしすぎているくらいだ。よく、あくびが出た。しかし、私は試合が始まれば緊張しすぎるのあくびが出るくらいで丁度良いと思った。

試合は、10発を1シリーズと考えて60発を6シリーズ撃つ。最初の1シリーズ(10発)を撃って105.6点。順調だ。練習通り、いや、練習より確かな手ごたえを感じた。2シリーズ目は105.3点、3シリーズ目は104.8点。この辺で邪念が入った。健常者の射撃と違い、障害者の試合は。試合の途中でコーチを呼んで話をすることが出来る。ここでコーチを呼んで、しばし休憩をとるか、練習ではコーチを呼ばないのだから、このまま呼ばずに続けるか。私は呼ばずに自力で解決することを選んだ。結果はその後もスコアが落ちていき、629.7点で23位。8月のWCは630点を超えたのでそれよりは点数が下がった。しかし、自分の中では、WCの時と感覚的にさほど変わらなかった。ただ、悔やまれるのは途中の雑念。コーチを呼ぶとか、呼ばないとかではなく、そこで一息おいて、考えがまとまってから次のステージに入れば良かったと深く反省した。

過緊張に対する取り組みは、順調にいっている。あとは、試合途中での雑念とどう付き合っていくか。

これを持ち帰り、今後の課題とする。

写真は韓国のトップシューターである、シム・ジェイ・ヨングと、韓国コーチのヨウン・ググ・リー 。いつも優しく声をかけていただき、感謝感謝!


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